佐賀県 森外科医院 苦痛のない内視鏡検査
「誠実」・「柔軟」・「迅速」

お知らせ

帯状疱疹予防接種のページを更新しました

帯状疱疹ワクチンとは、帯状疱疹の発症予防・重症化予防をするために、帯状疱疹ウイルスの毒性をなくし、あらかじめ投与するワクチン」のことです。帯状疱疹ワクチンには、2016年に認可された「弱毒生水痘ワクチン」2020年に認可された「シングリックス®」の2種類があります。

1、弱毒生水痘ワクチン

弱毒生水痘ワクチン(ビケン製)は、病原性を人体に影響のない程度に弱くした生きたウイルスが含まれており(生ワクチンと呼びます)、小児に使用する水痘ワクチンと同じものです。2016年から50歳以上の成人の帯状疱疹予防としても認可されています。

60歳以上を対象としたアメリカの調査では、このワクチンにより帯状疱疹の発生率が51.3%減少、帯状疱疹後神経痛の発生率も66.5%減少し、帯状疱疹の重症度も61.1%低下したとの報告があります(2005年NEJM誌による帯状疱疹ワクチン群とプラセボ(偽薬)群との比較)。しかし長期追跡調査では、ワクチン効果は 8 年~10 年で効果が消失してしまうようです。

主な副反応は、打った場所の「局所反応」(発赤や腫れ、かゆみなど)全身反応(発熱、倦怠感など)があります。2-3%に全身性の水痘様発疹がみられることがあります。

以下の方は投与できません。
・化学療法やステロイドなど免疫を抑える治療をしている方
・免疫力が落ちている方(HIV感染)
・妊娠していることが明らかな方(ワクチン接種後2か月間は妊娠を避けてください)
・水痘ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある方
・カナマイシン、エリスロマイシンの抗生剤にアレルギー反応を起こした方(ワクチンにこれらの抗生剤の成分が含まれます)

2、帯状疱疹不活化ワクチン「シングリックス®」

「シングリックス®」はサブユニットワクチンという種類で、ウイルス表面タンパクの一部を抗原とした組換えワクチンです。2020年の厚生労働省に認可されています。

従来のワクチン(弱毒水痘生ワクチン)に比べて帯状疱疹を予防する効果が高いのが特徴です。50歳以上で97.2%・70歳以上で97.9%の発症予防効果(平均3.2年間の観察)が報告されており、また、70歳以上でもワクチン有効率は91.3%、帯状疱疹後神経痛への有効率は 88.8%と、帯状疱疹後神経痛 に対しても高い有効性があることが証明されています。 長期試験でも、ワクチン接種 8 年後の予防効果が 84.0% 以上に保たれているようです。このように長期間ワクチン予防効果が保たれるのが特徴です。

主な副反応としては注射部位局所反応は、痛み78% 赤み38% 腫れ26%などです。全身性副反応では、筋肉痛40%、疲労39%、頭痛33%、悪寒24%、発熱18%、胃腸症状13%などとなっています。7日以内に多くの副反応は改善していくようです。

以下の方は投与できません。
・明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある方
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
・本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
・ほかに予防接種を行うことが不適当な状態にある方 など

🔲 一長一短があるので自分に合ったものを選びましょう

帯状疱疹を予防するワクチンは「弱毒生水痘ワクチン」「シングリックス®」の2種類あり、2つのワクチンの違いを簡単に説明すると以下の表のようになります。

・高い予防効果を期待する場合 ➡ シングリックス
・長い間予防効果を持続させたい場合 ➡ シングリックス
・副反応を抑えたい場合 ➡ 弱毒生水痘ワクチン
・接種回数を1回で抑えたい場合 ➡ 弱毒生水痘ワクチン
・妊娠中や免疫を抑える治療などされている方 ➡ シングリックス
・値段を抑えて予防したい場合 ➡ 弱毒生水痘ワクチン   などとなります。

 ※ 接種を迷われる方は、当院にご相談ください。

TOPへ