皆さんこんにちは。院長の森です。
当院では、患者さん一人ひとりに合った痔の治療を提供しています。今回は、痔は手術をしなくても良い?という噂を聞いたので当院の見解をお話させていただきます。 痔と聞くと、「手術しないと治らないのでは?」と思われがちですが、実はそんなことはありません。今回は、手術が必要なケースと、手術をせずに改善できるケースについてお話しします。
痔はすべて手術が必要なわけではない 痔には主に3つの種類があります。
いぼ痔(痔核):肛門の血管が膨らんでできるもの
切れ痔(裂肛):肛門の皮膚が切れてしまうもの
痔瘻(じろう):肛門内部の感染によって膿がたまるもの
このうち、手術が本当に必要なのはどのケースなのでしょうか?
〇いぼ痔(痔核)の場合
いぼ痔は、医学的には4段階に分けられます。
1度:出血はするが脱出しない
2度:脱出するが自然に戻る
3度:脱出し、指で押さないと戻らない
4度:脱出したまま戻らない
基本的に、1度や2度であれば手術は不要です。痛みや出血がある場合は、薬や生活習慣の改善でコントロールできます。また、3度や4度でも日常生活に大きな支障がなければ、無理に手術する必要はありませんが、「いぼ痔を完全になくしたい」「おしりの見た目をきれいにしたい」と希望される方は、手術が選択肢になります。
〇切れ痔(裂肛)の場合
切れ痔は肛門の小さな傷であり、通常は適切なケアをすれば自然に治ります。しかし、慢性的に繰り返してしまう場合は、肛門の皮膚が硬くなり、狭窄(せまくなる)を起こすことがあります。このような場合には、手術が必要になることもあります。ただし、多くのケースでは、
・便秘や下痢を防ぐための食事指導
・軟膏や座薬による治療
・正しい排便習慣の指導 を行うことで、手術せずに改善できます。
〇痔瘻(じろう)の場合
痔瘻は肛門内の感染が原因で発生し、一度できた瘻管(ろうかん:膿の通り道)は自然に消えることはありません。そのため、多くの場合、手術が必要になります。しかし、膿が出きって炎症が治まっている場合、すぐに手術をする必要はなく、経過観察も選択肢の一つです。痛みや腫れが繰り返す場合には、早めに専門医に相談しましょう。
詳しい痔の手術についてはこちら https://www.morigeka.net/alta-therapy/#a02
痔の根本治療は生活習慣の改善
痔の根本的な原因の多くは、「便通の乱れ」にあります。いくら手術をしても、生活習慣が改善されなければ、再発する可能性が高いです。以下のポイントを意識することで、痔の予防や症状の改善が期待できます。
〇食生活の改善
食物繊維を多く摂る(野菜・果物・海藻・豆類など)
水分をしっかり取る(1日1.5L以上)
刺激物やアルコールを控える
〇正しい排便習慣
便意を我慢しない、長時間のいきみを避ける、排便時に力を入れすぎない
〇適度な運動
腹筋を鍛える(便秘予防に効果的)、長時間座りっぱなしにならない
〇肛門のケア
排便後はトイレットペーパーで強くこすらず、洗浄や柔らかい紙を使用する。長時間の座り仕事では、こまめに立ち上がる など
痔の手術が必要かどうかは慎重に判断を
「痔=手術」という考え方は誤解です。手術が本当に必要なのは、ごく一部のケースのみ。多くの痔は、薬や生活習慣の改善でコントロール可能です。もし「手術を勧められたけれど迷っている」「できるだけ手術を避けたい」とお考えの方は、一度当院にご相談ください。
専門医があなたの症状に合った最適な治療法をご提案します。
当院の痔の治療法はこちらから https://www.morigeka.net/alta/
痔でお悩みの方は、早めにご相談を!
当院では、年間150-200件以上の痔の手術を行っている院長が、患者さん一人ひとりに合った治療を提供しています。おしりのお悩みに寄り添い、最適な治療をご提案いたします。 まずはお気軽にご相談ください!
医療法人EMU森外科医院 院長 森倫人