2種類のいぼ痔
いぼ痔はその名の通り、肛門にいぼ状の腫れができる状態です。肛門の内側にできるものが内痔核、外側にできるものを外痔核と呼びます。したがって、内痔核は目視できないことがあります。
一方、外痔核は肛門周囲にふくらみや腫れがあるので目で確認できます。 内痔核・外痔核ができてしまう原因は共に、排便時のいきみや便秘などによって、肛門部に負荷がかかることで、直腸肛門部の血液循環が悪くなり毛細血管の集まっている箇所がうっ血して、はれあがってしまうからです。
内痔核の主な症状
- 痛みは少ない
- 排便時に出血する
- 肛門からいぼが出てくる
- 排便障害、違和感
等があげられます。
外痔核の主な症状
- 痛みがある(血栓:血まめができると)大きく腫れると激しく痛む
- かゆみや灼熱感
- トイレットペーパーに血がつく
- 排便障害 等があげられます。
内痔核の治療方法
薬での治療(一時的に緩和)
患部に直接塗る外用薬と内服薬があります。薬で一時的に症状は落ち着きますが、いぼが無くなることはないので、定期的な通院や手術が必要になる事も多いです。
手術 (切除術)
内痔核(いぼ痔)を切除する方法です。麻酔を行うので、手術中の痛みはありません。基本的に入院(1週間程度)が必要ですが、当院ではジオン注射を組み合わせて切除範囲を最小限にとどめますので入院の必要もなく外来でも治療ができるよう努めています。
外痔核の治療方法
薬での治療(一時的に緩和)
患部に直接塗る外用薬と内服薬があります。薬で症状は落ち着きますが、いぼ痔が完全に無くなるということはないので、定期的な通院が必要になる事が多いです。
また、美容的にどうしても見た目やにおいなど気になる方や排便に支障がある場合は手術をしたほうがきれいに治ります。
手術(切除術)
外のいぼ痔を切除する方法です。麻酔を行うので、手術中の痛みはありませんが術後の痛みはしばらく続きます(通常1~2週間程度)。入院が必要となることがありますが、当院では切除範囲を最小限にとどめますので入院の必要もなく日帰り手術でも対応しております。
痔は女性に多い?
痔に対して、悩んでる方が女性の方が多いという印象があるのではないでしょうか。 実際に当院で痔の治療を受けられている患者様を調べると約6~7割程度が女性です。また、痔の種類によっても男性女性で特徴があります。痔ろうは、男性の方が多く発症しています。
痔の種類についてはこちら
それでは、女性が痔になってしまう原因は何でしょうか。 主には下記のような要因が考えられています。
ホルモンバランスの影響
女性は生理の前後2週間や妊娠初期に、体温上昇、体内の水分や塩分を保持する働きがある黄体ホルモンが多く分泌されます。黄体ホルモンが多く分泌されると体内の水分を保持しようとするため、腸から便の水分が過剰に吸収されます。その結果、便が硬くなり、排便が困難になります。
無理なダイエット
女性がよく行う無理なダイエットも便秘の原因です。便秘になると排便時いきむことが増えるため、痔になりやすくなります。
妊娠・出産
妊娠によって子宮が拡大することで、その圧迫により肛門部に負担がかかり、静脈の血液が滞りやすくなります。これによって肛門周囲の静脈が膨張しやすくなり、痔の原因となることがあります。
冷え性
冷え性は、末梢の血流が悪くなり、血管が収縮することで血液の循環が悪くなる状態を指します。このような状態では、肛門周囲の静脈が圧迫されやすくなり、痔の発生や悪化を招く可能性があります。
痔でも性行為はできる?
一般的には、痔があっても性行為は可能ですが、痔によって肛門周囲が腫れたり、痛みや不快感・においなどがある場合は、性行為は不快に感じられますし、痔から出血している場合は症状が悪化しているリスクがあるので性行為を控えることをおすすめします。
したがって、痔の症状がある場合には、まずは自身の状態をよく理解し、症状が性行為に影響するかどうかを判断することが重要です。痔の症状が重篤である場合や、痛みや出血がひどい場合には、まず医師に相談し、適切な治療を受けることを優先させましょう。
また、性行為の際には、痔の症状を悪化させないように注意することも重要です。過度な圧力や摩擦を避け、優しくケアすることで、痔の症状を悪化させるリスクを軽減することができます。