糖尿病とは : 日本糖尿病協会の「糖尿病」についての動画です
糖尿病とは、血液中を流れている血糖値が慢性的に高い状態が継続している状態を指します。食事で食べ物を摂取すれば誰でも血糖値は変動しますが、正常な方の場合は血糖値の変動はわずかで、すぐに元の血糖値(正常値の範囲内)に戻ります。しかし、糖尿病の場合はいつも血糖値が高い状態で、食後には血糖値が大幅に上昇したり、食事後で数時間がたってもなかなか血糖値が下がらないようになります。
糖尿病の検査
糖尿病の検査で、よく用いられるものにHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)というものがあります。このHbA1c値が6.5%を越えると糖尿病と診断されることになります。血糖値は前述した通り、食前か食後、食べた物によっても変動しますが、HbA1cの値は検査の1~2か月前の血糖値の平均値を表すとされていますので、検査当日に食べた食事の内容に影響を受けるものではありません。そのため、HbA1cの値は糖尿病の診断に加えて、糖尿病治療の効果判定にも活用されています。
糖尿病は、失明(網膜症)・人工透析(腎不全)・足の切断(動脈硬化)につながります
食べ物に含まれるブドウ糖は体内に取り込まれると、エネルギーとして利用されます。しかし、膵臓からでるインスリンの働きが弱いとブドウ糖(血糖)を上手く利用できず、血糖値が高くなります。高血糖状態が続くと様々な合併症を引き起こします。最初はあまり症状はなく、口が乾く、頻尿(口喝・多飲)、体がだるい(全身倦怠)などの軽い症状から始まり、知らない間に進行すると、目が見えなくなる(失明・網膜症)、心筋梗塞や脳卒中、足の切断(閉塞性動脈硬化症)、人工透析(タンパク尿・腎不全)などに進行してしまい、こうなると手遅れになります。
糖尿病を放置して血糖が高い状態が続くと血管が傷ついていきます!
糖尿病の治療(食事療法)
まずご自分の適切なカロリー(エネルギー)量を知りましょう。
1日のカロリー量の目安
身体活動量(軽作業25Kcal、普通の労作業30Kcal、重労働35Kcal)x標準体重
標準体重の計算は、 身長(m)x身長(m)x22 です。
身長165㎝の方だと1.65x1.65x22=59.9 で約60Kgとなります。
この方の1日必要カロリーは、普通の労作業で 30x60=1800Kcal となります。
糖尿病のお薬
食事療法が基本ですが、食事療法だけで改善されない場合は以下のお薬を単剤または複数組み合わせて服薬します。
それぞれのお薬に特徴や効き方が違うのでご相談ください。
最近では、小腸からでて膵臓に働き血糖を下げるインクレチン(GIPやGLP-1)の分解を阻害するDPP-4阻害薬や直接尿に糖を排泄して血糖を下げるSGLT-2阻害薬などが、低血糖の危険が少なく腎臓や心臓などの臓器保護の観点からも注目を集めています。
お問合せ
糖尿病は特に自覚症状を感じることなく、気が付かないうちに病状が進行していきます。血糖値が高いと指摘を受けていても糖尿病治療を行わないで放置していると、神経、眼、腎臓、血管といった部分に異常が生じてきます。
当院では、まずは早期の段階から糖尿病治療に取り組み、糖尿病による合併症が生じないように患者さんと一緒になって治療に取り組んでいます。些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談してください。